照明の配置には、さまざまなやりかたがあります。
ですから「どうやって部屋の照明を選んでいいかわからない」という方は、まず最初に、空間を照らす〈光〉をイメージすることをおすすめします。
照明の光は、大きくわけると
〈空間全体を照らす光〉
〈ポイントを絞って照らす光〉
の2つにわかれます。
どちらがご自身の理想とする光のイメージに近いですか?
2枚の写真は、照明器具以外はすべて同じインテリアを配置しています。空間を照らす光は、照明器具やその組み合わせによって大きく異なります。それぞれの照明器具を詳しく見ていきましょう。
1枚目〈空間全体を照らす光〉の照明は、光を透過する素材のシェードのものを選んでいます。そのため、光がシェードを透過して、下方向だけでなく天井や壁などに広がり、空間全体が明るくなっています。
- キッチン :(baba glass)ホワイト2灯吊り
- ダイニング:テーブル中央に(tarte M)
- リビング :ローテーブル上のやや高い位置に(cannele M)
2枚目〈ポイントを絞って照らす光〉の照明は、光を透過しないシェードのものをメインに選んでいます。
光を必要なところに絞って配することで、明暗差のある落ち着いた空間になっています。リビングには光の広がるシェードのスタンドを配しました。
- キッチン :(baba enamel)2灯吊り
- ダイニング:テーブル中央に(basque)
- リビング :サイドにテーブルスタンド(bourbon)と、フロアスタンド(noel pleats)
照明選びは、この2枚の写真のようにシンプルな2択にはなりませんし、器具の組み合わせや配置はさまざまです。
たとえば、次の写真のように、〈空間全体を照らす光〉と〈ポイントを絞って照らす光〉の間をとった光をつくることもできます。
- キッチン :(baba enamel)2灯吊り
- ダイニング:テーブル中央に(basque)
- リビング :ローテーブル上のやや高い位置に(muffin)と、サイドテーブルにスタンド(bourbon)
このようにどんな光にしたいかによって、選ぶ照明器具は変わりますから、理想をイメージすることは、灯り選びに欠かせない第一ステップになります。
イメージが固まったら、次は具体的な照明器具の組み合わせを考え、選んでいきます。
まずは基本として
空間全体を照らす光にしたいときは、光を透過する素材(ガラスやファブリックなど)を用いたシェード、
ポイントを絞って照らす光にしたいときは、光を透過しない素材(琺瑯やスチールなど)を用いたシェード
が適しています。
加えて、照明は光の広がりや明るさのことを考えるだけでなく、
ご自身にとって心地よい灯りかどうか、実際に灯りを感じて判断いただくことも、とても重要になります。
もちろん照明器具を選ぶときのポイントは、これだけではありませんから、これから少しずつ紹介していきたいと思います。次は空間のトーンについてお話する予定です。